いい夏休みだったなぁ。
夏は暑いもんなんですよ。だからあんまり冷房とか効かせなくてもいいんですよ。
涼しくなるような歌を聴くのも、時として冷房以上の効果があるもの。
高校の頃、夏休みのテニス部の合宿がありました。
1週間、学校の作法室(お茶室もある和風建築で、そこに布団を並べて宿泊した)に寝泊まりして、夏の日差しが照りつけるグランドのテニスコートで、ボールを追いかけていました。
僕は広島出身なので、グランドが白いのです。
西日本は土にケイ素が多いとか、とにかくそんな理由で土が白いのです。だから照り返しもきつかった。
グランドの白色にもまして空の入道雲は、さらに白く光り、空はあくまでも青く。
暑いし、きついし。それでも必至にラケットを振っていたのですが、その時、グランドの向こうの方から、音楽が聞こえてきました。
ギターなのか、マンドリンなのか、心地良い弦楽器の音色。そして拓郎の声。「せんこう花火」でした。
吉田拓郎
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テニスコートの体感温度が3度くらい下がった感じ。
陸上部の部員が、練習の休憩時間にラジカセから拓郎のアルバム「元気です」を流していて、丁度「せんこう花火」からスタートしたのです。
練習が終わると、部員全員で銭湯に行きます。
銭湯から学校への帰り道、みんなで花火を買って、女子部員や陸上部の部員を集めて、グランドで小さな花火大会になりました。
暑くて、きつかった夏合宿の夜。一瞬涼しい風が吹き渡りました。
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