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2012年1月16日月曜日

くちびるに歌を……中田永一 小学館  を読んだ

くちびるに歌を……を読んだ。

【今日のひとこと】
僕は、6歳くらいの自分に、毎年、いや毎月、いや毎週手紙を書きたいよ。


「くちびるに歌を」。

読み終えたあと、風が吹いていた。


五島列島の、ある中学の合唱部が、NHKの合唱コンクールを目指す中で、生徒も先生も保護者も家族も、いろんな時間を過ごす。

主語が、意図的に入れ替わり、少しわかりいくいところがある。
文章が、少し稚拙な感じがする。が、おそらくこれも、中学生が語っていることになっているので
意図的なものだろう。
しかし、この2つは、本作を読んでいて、すっと入って来なかったところ。
そこは気になったが、面白かったなあ。

2012年のはじめに、何を読もうかといろいろ考えたけど、「くちびるに歌を」にして、まあ、よかったと思います。


「くちびるに歌を」が合唱というか音楽であれば、そのモチーフとして何度もこのお話に登場するのが、
アンジェラ・アキの「手紙」。
15歳の自分が、15年先の自分に手紙を書く。15年先の自分が、今の自分に手紙を書く、という内容の歌。
ベタな歌詞はアンジェラ・アキな感じでどうなんだろうかと疑問に思う部分も多いが、この曲をたまたまNHKの合唱コンクールの全国大会できいた時、
時を超えた自分に手紙を出しあう、という構造に、心を動かされた記憶がある。


「くちびるに歌を」に登場する中学生たちは、それぞれにいろんなことを考え、悩んで生きているんだと思う。
そこには僕は共感は出来なかったが、話としては面白く、ラストに近い部分で、作者が埋め込んだ伏線に、胸が熱くなった。


僕は今、52歳だ。
15歳からは42年が過ぎてしまった。
自分は、本当にダメな生き方をしてきたと痛感している。
【今日のひとこと】にも書いたけど
子供の頃の自分に、毎週のように、手紙を書いてやりたい。

が、もしかしたら、52歳+15歳=67歳の自分から、もしかしたら毎日のように手紙が届いているのかもしれない。
今の僕が読めないだけだ。

15年後の67歳の僕は、今の僕にどんな手紙を書いているだろうか?

それを考えながら、まず、今年1年を、真剣に生きる。