お買い物は楽天で

ページ

2011年7月3日日曜日

恒例:夏のミステリー 「宙をさまよう少年」

本日2011年7月22日 ガリガリ君梨味、最終生産日だそうです。
食べたい人は、お店に急げ!

暑い日が続きます。
今日は数年前に書いた怪談に手を加えて再掲載します。
いろんなバカのおかげで(そのバカには自分も含まれているのですが)今年は節電とか言われていますので、怪談で少しでも涼しくなりましょう。
これから、できるだけ多く怪談を書いていこうかな、暑さ対策のために、と思っています。
それでは、スタートです。


【今日の一言】
耳から離れない、あのリフレイン……(怖)


去年の夏だった。僕は、関越自動車道を東京方面に向かって車を飛ばしていた。イヤな雰囲気はあった。妙な噂も聞いていた。だから、草津にある妻の実家を夜中の24時近くに出るのは、いやだった。

噂の内容を話そう。
夜中の2時頃。昔でいえば草木も眠る丑三つ時だ。その時間に関越自動車道を走ると、出るらしい。嵐山(らんざん)から10キロメートルほど群馬寄りの、東京へ向かう上り車線だ。

少年が関越自動車道に突如現れて、時速100キロ以上で飛ばす車に負けるとも劣らないスピードで空を飛び、車を追いかけきて、恐ろしい歌を狂ったように歌い続けるというのだ。

いわゆる都市伝説のひとつか。

僕が子どもの頃、口割け女の話が噂され、ティーンエイジャーでさえ、夜中に一人でトイレに行くのは、相当怖かった。もちろん僕もその一人だった。

関越自動車道の「宙をさまよう少年」も、実態のないそのような都市伝説の一つに過ぎないと、思っていた。
なぜ、空飛ぶ少年が現れるのか、もっともらしいいくつかの説があったが、どれもあまり気分のいい説ではないので、ここでは書かない。

金曜日の会社を休み、土日とつなげて3連休にし、家族で、妻の実家の草津に行った。月曜日も有給を取っていて、4連休にするつもりが、会社の僕のチームが、月曜の朝、クライアントに呼ばれた、という連絡が入った。
いつも、こうだ。家族と楽しい時間を過ごそうとすると、仕事が入る。家族に申し訳ない、という思いで、日曜日は夜遅くまで草津で過ごした。それで出発時間が深夜になったのだ。
草津を12時に出るということは、嵐山通過は丁度2時くらいになるな、と「宙をさまよう少年」のことがチラリと頭に過ったが、バカバカしい話に行動を左右されるのは愉快ではないので、そのまま車を発信させた。

道は空いていた。前後を行く車も、すれ違う車もほとんどない。が、安全運転を心掛け、運転を続けた。日本ロマンティック街道を抜け、渋川伊香保インターから関越に入った。
さすがに深夜だ。関越に入ってもやはり車が少ない。宙をさまよう少年のことは考えずに、iPodに入っている夏にふさわしい曲を聞きながら、法定速度を守って、飛ばした。
しばらく走ると、道がほんの少し明るくなった。もうすぐ嵐山のパーキングエリアが近いのだ。時刻は丁度2時。出るとしたら、このあたりだが、特に何もなし。
嵐山を越えた。そこからの関越は、照明設備が整い、明るくなって運転がしやすくなる。
走っているのは、僕の車だけだが、実は、心の中で、ホッとした。出るわけないよな。

iPodの音楽が一回りしたので、ラジオに切り替えた。AMの深夜放送は一体どんなプログラムをやっているのだろうか。
その時である。
ラジオのチューニングが乱れ、風を切るような妙な音が聞こえてきた。
最初はラジオからと思ったが、車の左後方からも聞こえてきた。まるで何かが空を飛んでいる音にも聞こえる。確実に近づいてくる。追いついてくる。追いつかれてしまう。
ヤバい。狂ったような歌声もだんだん聞こえてきた。
車内は冷房が効いているのに、嫌な汗が出る。
アクセルを踏んだが思うほどスピードが伸びない。

来た。並んだ。僕の車の左側だ。
既に僕の心は、恐怖に支配されていた。宙をさまようだ。間違いない。左を見るな。前を見て走れ。
しかし、僕は恐怖にこらえ切れず、左を見てしまった。僕がそこで見たものは……

 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓
 ⇓

空飛ぶ「ガリガリくん」だった。(この写真、その時、撮影したものです)
この時間、赤木乳業のガリガリくんのトラックが、たくさんのガリガリくんを東京に運んでるんだよね。♪ガリガリ君、ガリガリ君、ガリガリ君……

0 件のコメント:

コメントを投稿